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一時所得

内容

利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・譲渡所得・山林所得以外の所得で、次のすべての要素を兼ね備えた所得です。

  • 継続した営利行為から生じた所得以外の所得
  • 一時的な所得
  • サービスの提供や資産の譲渡の対価としての性格をもたない所得

一時所得の例示

一時所得の内容は非常に抽象的であるため、所得税法では実務的な取扱いとしていくつかの具体例を示しています。

  • 生命保険契約に基づく一時金(保険料負担者が受取人本人の場合)
  • 損害保険契約に基づく満期返戻金(保険料負担者が受取人本人の場合)
  • 法人からの贈与により取得する金品
  • 死亡後3年を超えて支給額が確定した死亡退職金

非課税

一時所得で非課税となるもの

  • 相続、遺贈または個人からの贈与により取得したものとみなされるもの
  • 身体お障害または心身の損害に基因して支払を受ける障害保険金など
  • 資産の損害に基因して支払を受ける火災保険金、車両保険金など
  • 宝くじの当選金 等

損害保険金、入院給付金、火災保険金、車両保険金などは、いずれも損失(損害)を補てんするために支払を受けるものであるため、保険料負担者に関係なく非課税となります。
また、交通事故の被害者遺族が加害者の対人賠償保険から支払いをうけた保険金も、心身の損害に基因して支払いをうけるものになりますので非課税となります。

生命保険契約等に基づく一時金

被保険者保険料負担者保険金受取人課税関係

(死亡)
相続税
所得税(一時所得)
贈与税

所得金額の計算と課税方法

所得金額の計算

一時所得=収入金額−その収入を得るために支出した金額−特別控除

課税方法

他の所得と合算し、総合課税により超過累進課税率が適用されます。

他の所得と合算する際には、一時所得の金額を1/2に減額した金額を他の所得と合算して総所得金額を計算します。

総所得金額=一時所得×1/2+給与所得など他の所得

一時払養老保険、一時払年金保険、一時払変額保険(有期型)などの満期保険金や解約返戻金に係る差益(保険期間5年以内または保険期間5年超で5年以内に解約されるものに限る)は一時所得に区分されますが、金融類似商品として、源泉徴収税率20%(所得税15%+住民税5%)のみで納税が完了する源泉分離課税の対象となります。

金融類似商品に係る課税方法
金融類似商品とは、表面上は金融商品ではないのですが、その利息相当額が実体としては金融商品の利子に近い商品をいいます。
一時払養老保険の場合、表面上は生命保険という体裁を整えていますが、契約時に一括して保険料を支払い、5年以内に運用益込みで満期保険金や解約返戻金が戻ってくるということは、実質的には満期が3年〜5年の定期預金が利子込みで満期を迎えたような性質も備えています。
そこで、生命保険会社などが販売する商品でも、利子相当額が定期預金の利子など金融商品に極めて類似している商品については、利子所得と同じ源泉分離課税にするよう規定されています。

FP1級・CFP®の追加知識

退職をせずに厚生年金から受け取る一時金(選択一時金・脱退一時金など)は、退職に基因するものではないので一時所得となる。