贈与税の基礎控除
受贈者単位で110万円を課税価格から控除することができます。したがって、1暦年で贈与財産の価額が110万円以下であれば贈与税は課税されません。
贈与者が複数いる場合でも、受贈者単位で1暦年につき110万円です。
贈与税額の計算
1暦年中に贈与で取得した財産の価額を評価し、その合計額である課税価格を計算し、それを基に算出贈与税額を計算し、その税額から税額控除を行い納付すべき贈与税額を計算します。(暦年課税)
(課税価格−110万円)×税率−控除額
贈与税の配偶者控除
配偶者から居住用不動産などの贈与を受けた場合に、一定の要件を満たせば2,000万円(居住用不動産などの価額が2,000万円に満たない場合は、その居住用不動産などの価額)を課税価格から控除することができます。
贈与税の基礎控除(110万円)と配偶者控除(最高2,000万円)は併用することができます。
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた人は、一定の要件を満たした場合、その贈与により取得した金額のうち、非課税限度額までは贈与税が課税されません。
(その年分の贈与税の課税価格−非課税限度額−110万円)×税率−控除額
非課税限度額:700万円
直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
内容
直系尊属(養父母を含む)が受贈者(30歳未満の人に限る)の教育資金にあてるために、金融機関に金銭等の信託等(教育資金管理契約)をした場合には、信託受益権の価額または拠出された金銭等の額のうち、受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の人にに支払われる金銭については、500万円を限度)までの金額に相当する価額については贈与税が課税されません。
教育資金管理契約の終了時
・受贈者が30歳に到達した場合
残額(非課税拠出額−教育資金支出額)について、受贈者が30歳に到達した時点に贈与があったものとして贈与税を課税します。
・受贈者が死亡した場合
残額(非課税拠出額−教育資金支出額)については、贈与税は課税しません。
主な適用要件
- 受贈者は、贈与者の直系卑属で30歳未満であること。
- 受贈者は、金融機関を通じて納税地の税務署長に教育資金非課税申告書を提出すること。
- 受贈者は払い出した金銭を教育資金の支払いに充当したことを証する書類(領収書等)を金融機関に提出する必要がある。
- 注)1回の支払い額が1万円以下、かつ、1年間の支払い合計額が24万円以下の場合は、領収書に代えて支払い明細を記載した書類の提出が認められる。
終了時の取り扱い
- 受贈者が30歳に達したとき、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額や、学校等以外の者に支払われた額のうち500万円を超える部分については、贈与税が課税される。
- 受贈者が死亡した場合、残額に贈与税は課税されない。
- 教育費として使用されなかった残額について、贈与者が生存している場合は相続時精算課税制度の対象となり、贈与者が死亡している場合は、暦年課税贈与の扱いとなる。
- 贈与者が死亡し、非課税となった額は相続税の生前贈与加算の対象から除かれるが、課税扱いとなった場合は加算の対象となる。
直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税
内容
直系尊属が受贈者(20歳以上50歳未満の人に限る)の結婚・子育て資金に充てるために、金融機関に金銭等の信託等(結婚・子育て資金管理契約)をした場合には、信託受益権の価額または拠出された金銭等の額のうち、受贈者1人につき1,000万円(結婚に際して支出する費用は300万円を限度)までの金額に相当する価額については贈与税が課税されません。
結婚・子育て資金管理契約の修了時
受贈者が50歳に達した場合
残額(非課税拠出額−結婚・子育て資金支出額)について、受贈者が50歳に到達したことで資金管理契約が終了した場合、その残額は受贈者のその年の贈与税の課税価格に参入される。
受贈者が死亡した場合
残額(非課税拠出額−結婚・子育て資金支出額)について、贈与税は課税しません。