金利の性質
金利は、金融市場で貸し借りされる資金の使用料あるいは貸借料です。
資金の貸し借りが行われれた場合に、資金の借主から貸主に対して支払われる対価が金利となります。
金融市場
短期金融市場と長期金融市場
取引期間の長短により、短期金融市場と長期金融市場に分類されます。
短期金融市場 | 取引期間が1年未満の短期資金を調達する市場。 代表的な金利は、無担保コール翌日物金利で、日本銀行の政策金利になっています。 |
長期金融市場 | 取引期間が1年以上の長期資金を調達する市場。 代表的な金利は、新発10年物国債利回りです。 |
無担保コール翌日物金利:金融機関が担保なしで資金を借り、翌日に返済する取引で使用される金利
インターバンク市場とオープン市場
取引参加者の違いにより、インターバンク市場とオープン市場に分類されます。
インターバンク市場 | 金融機関だけが取引に参加できる市場 |
オープン市場 | 金融機関以外の商社や一般企業も参加できる市場 |
金利の変動要因
金利は、主に資金の需要(借りる側)と供給(貸す側)のバランス(供給バランス)によって変動します。
資金の供給バランスは、景気、物価、為替相場、海外金利などの要因によって変化します。
要因 | 金利の上昇 | 金利の下降 |
景気 | 景気の拡大 →資金需要が増加し、金利が上昇する | 景気の後退 →資金需要が減少し、金利が下降する |
物価 | 物価の上昇 →インフレ懸念からお金から物へのシフトが生じ、借入増加による資金需要の増加と日銀による売りオペにより、金利が上昇する | 物価の下落 →デフレ懸念から物からお金へのシフトが生じ、資金需要の減少と日銀による買いオペにより、金利が下降する |
為替 | 為替が円安 →輸入原材料・製品が値上がりするため物価の上昇が生じて、金利が上昇する | 為替が円高 →輸入原材料・製品が値下がりするため物価の下落が生じて、金利が下降する |
海外金利 | ドル金利の上昇 →アメリカの金融商品を買う動き(ドル買い・円売り)が強まり、ドル高・円安が進み、金利が上昇する | ドル金利の下落 →日本の金融商品を買う動き(ドル売り・円買い)が強まり、ドル安・円高が進み、金利が下降する |