売買の対象物に隠れた瑕疵(=外部から容易に発見できない欠陥)がある場合、売主が買主に対してその責任を負うことを「瑕疵担保責任」といいます。
隠れた瑕疵があった場合、買主は、売主に対して契約解除や損害賠償の請求を主張することができます。
なお、契約解除や損害賠償の請求ができるのは、買主が契約の際に瑕疵の存在を知らなかった場合で、かつ、知らなかったことについて買主に落ち度がない場合となります。一般的に、構造部分の欠陥や建物の雨漏りなどが隠れた瑕疵に該当します。
民法では
瑕疵担保責任を追及できる期間は、特に定められていませんが、買主が瑕疵の事実を知った時から1年以内に行なわなければならないと規定されています。
宅建業法では
民法上の規定より買主に不利となる特約は無効となりますが、宅地建物取引業者が自ら売主となる場合には、買主が瑕疵担保責任を追及できる期間を「引渡しの日から2年間」とすることが例外として認められています。
民法
民法566条
1.売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
2.前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。
3.前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。
民法570条
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。